『メモの魔力』という書籍を購入して読んだのは昨年12月でした。
メモを取る作業をすっかり怠けていてうっかり忘れが本当に多くなっていたもので、1年の終わりに初心に戻って再スタートしてみようと思ったのが購入のきっかけで、この時は実は前田裕二さんという人のことは恥ずかしながら存じなかった。
今では時々日テレの「スッキリ」に出ている前髪長いお兄さんという印象である。
メモを忘備録で終わらせない『メモの魔力』
メモといえば、私の中ではだいたい「これは忘れないように書いておこう」ってことで書くものでした。書いておけばうっかり忘れることもないし、後で日記なり書く時の資料にもなる。
あれなんだったっけなと一生懸命思い出すあの時間ってのは、本当に無駄なものです。私なんてすぐ忘れてしまう人なので、メモをサボるようになったらその時間がうんと増えてしまったものです。 机でしばしフリーズすることが何度あったか…
さて、そんなメモも用が済んでしまえばただのゴミと化す。
ではそのメモをゴミにするのはやめよう、メモから新しいものを生み出していこうと提案してくれるのが、この『メモの魔力』です。
前田さんという人は子ども時代に随分苦労された方で、自身で考えたメモ術によってその生活から抜け出し現在は会社の社長として成功されていますが、そこまではいかなくとも、メモを活用することによって様々なメリットが生まれるわけです。
この本ではそのメモ術である、
ファクト(メモ)→抽象化→転用
この具体的な考え方やノートの取り方が紹介されています。
メモを取るメリット
①知的生産性の向上
聞いたもの、見かけたもの、頭にふと浮かんだものをメモしてしまえという気持ちは、いわば好奇心のようなもの。
書きっぱなしにしてしまえばそれもただのメモで済んでしまいますけど、後で活用することによってしっかり生産性が生まれます。
②情報の伝導率の向上
これは結局脳のアンテナを増やしてあらゆる情報をキャッチできるようになるということ。なんでもメモを取ろうと意識するだけで、あらゆる方向に目や耳が動くことになります。
実際そう思ってメモを取ってみると、1日だけで結構すごい数になりました。ノート1ページじゃ全然収まらないんだもん。
つまり、メモを取っていなかった間は、それだけの情報を素通りしてしまっていたということになる。
③傾聴能力の向上
前田さんは「人が喋ってることを全て書き漏らさないくらいの勢いでメモを取れ」と書いている。
人の話聞いてなきゃメモは取れません。メモを取るために一生懸命、相手の話に耳を傾けることになる。
で、こちらがメモを取りながら話を聞いていれば、相手も「あら、ちゃんと聞いてくれてるんだな」と嬉しくなる。それで更に突っ込んだ話をしてくれたりということもあるわけです。
実は、コミュニケーションスキルで大事なのって話す力よりも聴く力だそうで。
傾聴能力の向上=コミュニケーションスキルの向上なんですね。
④構造化能力の向上
前田さんのノートの取り方として「一番左に日付と標語を書く」というものがあるんですが、この標語というのは「ファクト欄に書いたことをグループ化する」ということ。
まとめたメモのタイトル付けのような感じですね。
この構造化能力っていうのは、実はTwitterみたいな文字制限のある場所に書く場合にも発揮されると思う。手短に、人に伝わるようにまとめないといけないでしょう。
例えば映画感想書くにしてもさ、その映画の説明を140字でどうやるかという…
ついつい話が長くなってしまうという方にとっては、良い訓練になりそうです。
⑤言語化能力の向上
上の構造化とも似ていますが、メモ取るということは頭の中に入ったことを「言葉」に変換して書くことになります。
人の話をメモするにしても、見たものをメモするにしても、ほんとにそのまんま書き起こしみたいにしてたらとっても追いつかないので、自分の中でうまく言葉にして、後で読んでもわかるようにしなければならない。
メモを取れば取るだけ、言語化するという機会にも恵まれるわけです。
なので、メモを取るだけじゃ何も生まれないと言っても、実はメモを取るという行為だけでも結構なメリットがあるのです。
頭の体操だね。
意外に難しい「抽象化」「転用」
メモを抽象化するということはつまり何かに応用できる形に変換するということであり、転用はそこから更にアクション化していくということです。
と、説明するだけなら簡単だしすぐできるだろ、って思うのですが、実際やってみたら難しかった。
特に抽象化に関しては、メモを眺めていても何も思いつかないことが多く(笑)もうこれは慣れていくしかないのかもしれませんけど…
抽象化できなければそこからアクションに変換していくこともできない。
こういうことかな?っと書いてみても、それでいいのかどうかわからんのです。なんか違うか?って。
そうなると人間、更にやってみるのが億劫になっていきます。
うーん、「できた!」っていう実感がなかなかなくて…
本の中では、この抽象化と転用がどういうことなのかかなりページを割いて解説されているんですが、なんつーか、具体例といいますか、そういうものをもっと載せてもらえたら有り難かったなあと。
圧巻の巻末付録「自己分析1000問」
やっと読み終えたところで待ち構えているのがこれです。
夢であったり、家族のことであったり、自分の性格であったり、とにかく1000問あります。
正直言うと、私これやってない…(すいません
この1000質はある種自分探しのためのもので、もう自分探しの旅が終わってしまった私にとっては必要のないものでして…
まあ一度に答えていく必要もありませんし、何か見失ってしまった時にもう一度振り返る意味でやってみてもいいかなと思ってます。自分探しの旅の最中の方はやってみたら面白いと思う。
まとめ
以上、昨年読んだ『メモの魔力』のお話でした。
私も今またこうしてブログの更新を再開して、映画感想のブログの方も本格的に再始動を始めましたけど、そうなるとやはりメモの重要さを再認識させられます。
書き綴ったメモから文章を構築していくので…これを頭の中だけでやっちゃえたら天才よな。
このメモ術を活用して大成功してみようとか高望みはしなくとも、実践することで確実に自分にとってプラスになるはずですので、興味のある方は本を手にとってみてください。
それから、単純に、ノートがどんどん埋まっていくそのサマはなかなか爽快です。
こういうの続かないという方はとにかくなんでも書いてみるのがおススメです。
それでは。