何年前だったか、お昼の情報番組で「マルチタスクをこなすママタレ!」みたいな特集をやっていた。
内容はそのまんま、誰だったか忘れたけどタレント業をこなしながら家事、育児もこなすためにアレしながらもコレもする!といった感じで、マルチタスクで日々動いているというものだった。
ボーっと見ながら「すごいな〜。こんなの私にはムリだわ」と思ったものです。
ところがこのマルチタスク。
ムリもなにも人間の脳の構造的にできるはずのないことらしい。
それなのに、実は多くの人が無意識のうちにやってしまうという「やってはいけない」ことだった。
「ムリだわ」と思っていた私も、無意識のうちにマルチタスクをやっちまってたのです。
そもそもマルチタスクとは
マルチタスクとはその名のとおり、
「一度に複数のタスクを実行すること」
ご飯を食べながらテレビやスマホを見てたり。
仕事しながらTwitterやネサフしていたり。
仕事しながら誰かにメールを送っていたり。
仕事しながら……おっと、全然仕事してないぞ
いや、仕事はちゃんとやってはいるけどね。やってるやってる…
しかしこうして書いてると、つまりは「よそごとしてる」ってことですね。
コレやりながらコレもやれるんだから時短になる!効率悪くなんてないよ!
と、思いがちですが。
実は効率云々よりも怖いデメリットがマルチタスクに潜んでいたのです。
マルチタスクのデメリット
一見効率良さそう!なマルチタスクですが、実は多くのデメリットを抱えています。
- 複数のタスクが混乱を起こす
- タスクの切り替えが激しいため、1つのことに集中できなくなる
- 気が散っているのと同じ状態になるため、状況の変化に対応する柔軟性が落ちる
- 一度に複数のことをしようとするため、脳の前頭前野の取り合いが起きる
冒頭にも書いたとおり、人間の脳は同時に複数のことに注意を向けられません。
タスクを切り替えるためにそれまでの情報が遮断され、その時脳に記憶されなかった情報は抜け落ち、そしてそのままになる。
この状態を続けると集中力の低下を起こし、物事や人の名前を覚えられなくなる、なんてこともあるのです。
つまり、脳の機能そのものがどんどん低下していくということ。
マルチタスクを引き起こす原因

皆さん休憩中や食事中、いつもスマホを見てませんかー?
LINEやメールの通知が来れば何をしていてもとりあえずスマホを手に取るという方は多いんじゃないかと思います。
パソコンで作業している時、ついついブラウザを開いてネットしちゃったりしてませんか?
私のことだけど。
そうです、これです。
ひとつのことに集中しづらい環境を作っているのは、現代を生きる我々にとってとても身近な存在になっているスマホやパソコン。
そして、そういったデバイスに依存してしまっている我々の脳ミソなのです。
テクノロジーの発展は素晴らしい!本当に便利な時代になったものです。
スマホやパソコンが悪いのではないのです。
悪いのは、何をする時にもスマホやパソコンが手放せない我々…私なのです。
自ら脳ミソ機能の低下を招いてしまっていたというわけです。
シングルタスクとは
では、どう改善していけば良いのか。
そこでシングルタスクの出番です。
今回はデボラ・ザック氏の「シングルタスク 一点集中術」という本を手に取ってみました。
シングルタスクとは、「ひとつのことに集中すること」
「今、ここ」に集中するのです。お?この言葉どこかで聞いたな。
メリットは言うまでもなく、マルチタスクと全て逆になるということです。
集中力が上がり、作業の効率が上がり脳ミソの機能低下も防ぐ。
マルチタスクが当たり前になった今の生活からするとなんだか難しいことに思えますが、ひとつのことに集中してフロー状態に入れば、自然とマルチタスクをしていることになるんです。
これを習慣化していこう、と。
シングルタスク実践のコツ
とはいえ、もはやマルチタスクがあたりまえとなってしまった私たちの生活。
いきなり改善して習慣化しろと言われても何からしていいやらわかりません。
では「シングルタスク 一点集中術」の中から、わりとすぐに誰でも始められそうなことをピックアップしていきます。
パーキングロットを活用する

パーキングロットっていうのは、メモスペースのことです。
作業中、突然ふと何か思いついたりしますよね。その時やってる作業とは全然関係ないこととか。
そんな時は、メモ専用のスペースにささっと書いておきます。
それってマルチタスクなんじゃないの?って思うじゃん。
だけどメモしないでずっと頭の中で気にしたまま作業を続けたり、作業を中断してその思いつきタスクに取りかかるよりはずっといいわけです。
メモはもちろん、紙ベースで!
スマホのメモはダメですよ。デジタル機器はなるべく使わない。
その辺のメモ紙とかふせんも、気がつくとどっかいっちゃってたりするので避けた方がいい。
ノートか手帳のメモスペースがいいっすね。
デジタル機器を手放す
マルチタスクの元凶でもあるスマホ、パソコン。
こっちが手に取っていじっていない時でも、彼らはわざわざ様々な通知で我々を呼んでくれます。
それ、必要のない時は手の届かないところにやっときましょ。
インターネットは欲求を引き起こすツールでもあります。
つまり、外部からの誘惑の塊ということでもある。
外部からの誘惑は、集中力を切らす元です。
スマホのメモやタイマーやストップウォッチ機能を活用している人も多いと思います。
これ、アナログ機器に変えましょ。
持ち運ぶには難だけど、タイマーも探してみると可愛いものもあるよ。
私も自宅ではスマホでポモドーロのアプリを使って作業してましたが、一旦やめます。
パソコンで作業している時。
必要なければブラウザは閉じちゃいましょう。ついついネサフしちゃうからね。
マルチタスクの項でも述べたとおり、スマホとパソコンは大変便利。
スマホなんてあんなちっちゃい機械にね、あらゆる情報ツールがきゅっと詰め込まれてる。
…だからこそ、手放すのです。
まずは、常に手元にスマホを置かない習慣を作らんとね。
定期的に休憩を取る
ノンストップで作業するより、定期的に休憩を入れた方が作業ははかどります。
脳が疲れてくると効率悪くなるからねぇ。
マルチタスクしてるとさ、常に作業中によそごとしてる状態になるんで、休憩のタイミングってわからなくなるんですよね。
シングルタスクは、そうゆう休憩の時によそごとを済ませればいいんだ。
タスクはまとめて「集中的」に処理
ほんの数分で済むタスクはひとつの時間内にまとめて処理するのが吉。
②類似タスク(同じ場所やツールでできることとか)をグループ分けしておく。
③1日2回くらい、スケジュールに空白タイムを入れておいて、その時間にまとめてやっちゃう。
空白タイムとはいえ、現実には予定が入ってるものと考えます。
まとめ
私は昨日のこととか、ついさっきのことをコロっと忘れてしまいます。何食べたとか何してたとか。
物忘れが激しいんだ…と諦めてたんですけど、もしや集中力のなさが原因だったのかもしれない。
確かに、私は雑念が酷いというか、気になったらすぐやらないと気が済まないようなところがあって。
ほぼ1日マルチタスクで過ごしているようなもんですよね。
おかげですっかり脳ミソの機能が低下していたのかも。
しかしスマホなんて二十歳過ぎてから持ち始めて、それ以前はなくても別に困るもんじゃなかったのにね。
それが今じゃ手元にないと不安な存在に…スマホを手放すってのが、何気に一番難易度高いのかもしれない。
まずは、作業中はスマホを手元に置かないところから始めてみよう。
では、また。